今から9年前の平成23年3月11日
午後2時46分
当時、私は父が営んでいた内装業の仕事を手伝っていました。
東北でマグネチュード9.0の巨大地震が起きたその瞬間、現地から離れた関西にいたにも関わらず、めまいで体調が悪くなったのかと思うくらいの大きな横揺れを感じたのを今でも覚えています。
慌ててテレビをつけた瞬間、目に飛び込んできた光景が現実とは思えず、この先どうなるかわからないという恐怖となにもできず立ち尽くすしかない無力さに打ちひしがれました。
震災後、私にはなにかできるだろうと毎日のように考えていました。
震災は自分と向き合う時間をくれたのです。
正直、それまでの私は「他人が自分になにを与えてくれるか」で人との関係を築いていました。
あの日から「自分は他人になにを与えることができるか?」を考えることができるようになったのです。
病気を患い、父親の事業はなくなってしまいましたが、今の自分がどうすれば「人の役にたてるか?」を指針にして行動したことで自分を見失わずにすみました。
”世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、「わたし」によってしか変わりえない”
心理学者アドラーの言葉です。
危機的な状況におちいると人間の弱い部分につけ込んで、ダマしたり、お金儲けしようとする人もいます。
彼らはきっと「誰かがなにかを与えてくれる」と考えているのではないでしょうか。
自分の人生を生きないことは不幸なことです。
政府が「復興、創生期間」と位置づけた期間は10年
岩手や福島などの地方経済は10%に届かず、メルトダウンした福島原子力発電所の廃炉作業は難航しているというのが現状のようです。
私たちは私たちにできることを全力で考え、全力で取り組みましょう。
”今”この瞬間です。
大事なのは起こってしまったことを風化させず
「いま、ここ」を生きるということなのです。
改めて、震災の犠牲となられた方々に黙祷を捧げます。